こんにちは。「吹けるん」情報局♪です。
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オカリナ専用弱音補助装置
『吹けるん』
このサイトをご覧になっているあなたは、既にオカリナを吹いた経験がある方あるいはこれからオカリナを始めようかなと思っていらっしゃる方かと思います。
オカリナの誕生は、19世紀後半とされています。ギターの起源と言われるリュートが誕生した700年代初期や現在のピアノの原型と言われるメカニズムが作られた1700年代初期と比べると、まだまだ歴史の浅い楽器です。1986年に、NHK特集『大黄河』の音楽をオカリナ奏者「宗次郎」が担当し一躍脚光を浴びたことから日本で人気となりました。
今では韓国、台湾、中国、香港などのアジア諸国でも愛好家がたくさんいます。目新しいところで言えば、よしもとクリエイティブエージェンシー所属の女性お笑いコンビ「おかずクラブ」の1人が「オカリナ」という名前で人気だったり、人気番組「マツコの知らなさ過ぎる世界」で「オカリーナおじさん」が登場し話題になったりと、楽器以外の視点からも注目度が高まっていますね。
素朴な楽器で親しまれ、日本国内だけでも300万人以上の愛好家が存在すると言われるオカリナですが、素朴であるがゆえに「高音が綺麗にでない」、「ピッチが不安定」、「息のコントロールが難しい」等、オカリナを吹くうえでの悩みやニーズがたくさんあります。こうした悩みやニーズにすべてお応えするためには総合的に「オカリナ」という楽器に向き合い、基本の「き」から取り組んでいく必要があります。これについては、オカリナ奏者みるとのメインサイト「Milt Ocarina World」や株式会社オフィス樹エージェンシーのサイトであらためて取り組んでいきたいと思います。
本サイトでは、世界初のオカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」をご紹介させていただきたいのが、その前にまずは「オカリナの練習と息のコントロールについて」お話しさせてくださいね。なぜなら、「吹けるん」の誕生と密接な関係があるからです。
長文になりますので、気楽に読み進めていってください。
オカリナの話
陶器で作られているオカリナは、サックス、フルート、クラリネット等の管楽器と比較すると、どちらかと言えば地味な楽器というイメージがあります。でも「リタイヤしてから手掛けてみたい楽器TOP10」に選ばれるほど、日本にはオカリナの愛好家がとても多く、年々その数は増加し続けています。全国各地でオカリナフェスティバルやオカリナ関連のイベントも行われ、同じく増加の傾向にあります。主催の方々は、いろいろな楽しい趣向をこらし、オカリナを知らない方にとっても楽しいイベントになるよう工夫をなさっていて、オカリナ愛好家の方のお誘いで関連イベントに参加したことで、オカリナを始めましたという方もいらっしゃいます。
そのオカリナフェスティバルは、今や参加希望者が多い場合には抽選が行われるほどの人気!愛好家の方にとってはとても大切な「大きな晴れ舞台」です。演奏することが決まった方は、それはそれは熱心に練習なさいます。
小さな楽器でも大きな音 - オカリナの特徴の一つです!
ここでオカリナを吹くあなたにお尋ねいたします。
「本番に向けて、いつ、どこで、オカリナの練習をしますか?」
一般的には、ご自宅で練習なさると思います。本番を控えるなか、仕事や生活リズムを考慮したうえで時間を気にせずできるだけたくさん練習したいですよね。
では次の質問です。
「オカリナを練習する時、どんな壁にぶつかりますか?」
いろいろな答えがあるかと思います。物理的に練習時間が足りないと悩んでいらっしゃるかもしれません。ではどうして時間が足りないと思うのでしょう?
それは オカリナの「音」に関係があります。
オカリナの音は、思った以上に大きくて、かなり外に漏れます。愛好家の方であれば、練習している時の「音」にまつわるエピソードが一つ、二つはあるのではないでしょうか?オカリナの音が漏れて知らず知らず他の方の迷惑になってしまうというアクシデントが起こったりします。
もし、もしもです。
この「音」の問題を解決することができるならば、練習時間の確保にもつながるということ、なんとなくお気づきになれますか?
もう少し詳しくお話ししましょう。
わんちゃん、ねこちゃんも隠れちゃう!?
オカリナに限らず楽器の練習をする場合は、自分が納得できるまで練習できるのがベストです。
ところが、オカリナの音が意外にも大きく、外に漏れやすいため、日本の住宅事情を考えると、思い立った時に周囲に気兼ねなく練習ができる環境は、残念ながらそれほど多くありません。特に日中働いているので仕事から帰って来てからしか練習ができないという方にとっては、練習時間の確保は悩みの種ということも理解できますね。
また気になるのはご近所の方だけではありません。練習しているご本人にとっては大切な練習の時間であっても、一緒に暮らすご家族にしてみたら、時には「何とかしてほしい騒音問題」に直面する時間だったりするわけです。とりわけまだ練習があまり進んでいない段階ですと、演奏もたどたどかったりします。同じフレーズを何度も何度も繰り返し、その度につっかえてしまい、そしてまた繰り返すというのも練習ですから当たり前のことです。でも一番近くでオカリナの練習の時の音を耳にするご家族にとっては「・・・・><」という場合も、残念ながらあるんです。赤ちゃんやご年配の方がいるご家庭は、特に気遣いが必要です。なんと、家で飼っているペットのわんちゃんやねこちゃんもオカリナの音に反応するとか!?ソファーの下やクローゼットの中に隠れてしまうこともあるそうです。
なんて肩身の狭いこと!
自宅で練習できないなら、スタジオをレンタルする、カラオケボックスを使う等の解決策もありますが、あまりに金銭的な負担が大きいので、それもなかなかできることではありません。
車の中で練習!?
海外でも弱音に対するニーズはあります。
韓国のあるオカリナ奏者さんのお話しによると、周りを気にして車のなかで練習しているそうです。日本と比較してオカリナ愛好家の平均年齢が低い(オカリナを吹く若い方が多い)国では、マンションではなくアパートに住んでいる方が比較的多い場合があり、やはり近隣への音の問題はつきものだと聞きます。
涙ぐましい努力をしている方もいらっしゃいます。洋服ダンスを改造してその中で練習したり(中が狭いので、オカリナの音が反響して耳に影響がありますから注意が必要です)、音がなるべく小さくてすみ、どちらかと言えば「くぐもった音」のバス管(低い音がでます)でなんとか練習するそうです。本来ならアルト管やもう少し高い音の管で練習したいのに、バス管では吹いた時の指の感覚も、吹き入れる息の量も、全然違います。そのような方法で練習し、練習の時と違うオカリナで本番に臨むのは、やはり不安があります。
オカリナの唄口(オカリナの裏側にある、吹き入れた息をオカリナ内部と外に振り分けて振動させることで音を発生させる部分)にセロハンテープを張り付ける、またはティシュペーパーを入れるという方法で音を小さくする方法については、一部の方々が活用していらっしゃいます。もちろん有効です。
でも本番用のオカリナです。オカリナの「生命」と言われる唄口に張り付けたセロハンテープをはがす時に破損する、塗装がはがれて音に影響がでる(実際にほんの小さな変化でも音に影響がでます)などの可能性は残されていますので、初心者の方やうまくできる自信がない方は避けた方がよいでしょう。これらの方法ですと、あまりに音が小さくなりすぎて音階が認識しにくいことや、細かい調節ができないのも難点です。
音の問題が原因で、オカリナを手にすることを諦めたという方もいらっしゃいます。
何か楽器を始めたいと思い、手軽に始められるリコーダーやオカリナはどうかなと思いました。でも笛系は、思っている以上に音がうるさいのでなかなか継続的に練習できないよと友人から言われ、「それもそうだな」と思い、断念しました。
見えないところで、オカリナ全体の発展にも何かしら影響しているですね。
愛好家の具体的な「音」の悩みとは?
実際にどんな音の悩みがあるのでしょうか?
オカリナ愛好家の方々に聞いてみると・・・・
冬はまだいいんです。でも夏は、窓を開けているとオカリナの音がご近所の方の迷惑になるので、時には雨戸まで閉めます。エアコンがないお部屋では暑苦しくて、長時間の練習はできません。
リビングで気持ちよく練習していたら、一通のメールが・・・「すいません。オカリナの音がキンキンうるさいので、やめてもらえませんか?」・・・お隣の方からの苦情でした。夜遅い時間でもなかったですし、普段は仲良くお付き合いさせていただいているのですが、それ以来、気になってしまい、練習の時にオカリナにあまり息を入れられなくなってしまいました。きちんと息をいれられないのでピッチが定まらなくて、これで本当に練習になっているのかなと思ってしまいます。
またこんな声もありました。
家事がひと段落した夜に、母がリビングルームでオカリナを吹き始めることがあります。なるべく家族が外出している時とか入浴中に練習するなど、本人は気を使っているようですが、夜はのんびりしたいので、ちょっぴり困ってしまいます。趣味があるのは良いことなんですが、さすがにご近所のことも気になりますし・・・・><
オカリナを練習していたら、妻から「孫が目を覚ますから」ということで、オカリナ禁止令がでてしまいました。孫は可愛いから、我慢するしかありませんが。かといって、外で練習するのは恥ずかしいから、練習場所をなんとかしなくてはと思っています。
発表会の前にオカリナを練習していたら、突然、警察の方がいらっしゃって「申しわかりません。ご近所の方から苦情が出ておりまして、もう少し控えていただけますでしょうか?」と言われてしまいました。警察の方がいらっしゃるようなことにまで発展するとは思っていなかったので、凹みました。
周囲に気兼ねなく、大好きなオカリナを、思う存分練習したいというニーズは、思った以上に大きいのですね。
「吹けるん」誕生のきっかけ
このような音の問題を解決する「弱音ニーズへの対応」は、オカリナ奏者みるとにとって、大きな意味をあります。
その理由とは・・・
オカリナ奏者みるとは予てから、オカリナ奏者であること、あるいはもっと広い意味で音楽に携わるものとしての、本当の意味や価値を、自分の利ではなく多くの方々のお役に立てるものやことにつなげていきたいという想いがありました。この想いは「From One’s Heart~一人ひとりの想いから~」という平和コンサートやカンボジアでのプロジェクト「クメール・オカリナ・プロジェクト」という活動に結びついています。
そうした想いを持ち続けるなか、このようなオカリナ関係者や愛好家の方々からの弱音に対するニーズを聞き「音の問題を解決できたら、愛好家のみなさんがもっとオカリナと触れ合うことができ、練習できたという自信にもつながるし、オカリナのさらなる発展にもお役に立てるのではないか?」と思いはじめたのです。自分の想いを具体的な形にすることができるかもしれないと思ったそうです。
でも想いだけでは形にはなりません。その想いを形にするための土台になるものがオカリナ奏者としてのこだわりでした。
オカリナ奏者みるとがプロ奏者として長きにわたり活動するなかで、これまでずっと、そして一番大切にしてきたものは「オカリナ本来の音色」です。その音色を生み出すにはどうしたらよいか、と常に自問自答しながらオカリナととことん向き合ってきました。オカリナの波形を解析し、息の量によってオカリナの音を作っている成分、例えば「倍音」などがどんなふうに変化するかなどについても考察しました。オカリナ専門誌「OCARINA」に連載の「みると式おっかし~なオカリ~ナ」でも毎回詳しく解説されています。
その過程で、とりわけ「オカリナには知る人ぞ知る「裏音」というものが存在する」ということに着眼しました。
さて、そもそも「裏音」ってなんでしょう?聞きなれない言葉です。
オカリナに吹き入れる息の量を徐々に少なくしていく(息を弱くしていく)と、徐々に音が小さくなると同時に、ピッチもそれにしたがって下がっていきます。そしてあるところまでいくと、「音がひっくり返ったように」元のピッチに戻ります。これが、オカリナに元々備わっている「裏音」です。
下のグラフをご覧ください。
グラフ上部の青い枠の中の水色の帯は「オカリナの音量」を表しています。その下の黄色の線は、「音程(ピッチ)」を表しています。白い線は、半音ごとに区切った線です。
若干わかりにくいかもしれませんが、オカリナの音量を下げていくと(水色の帯の幅が右に向かって細くなっていきます)、それにつれて、黄色の線で表すピッチが徐々に下がっていきます。そしてあるポイント(グラフの真ん中あたり)で一気にほぼ元のピッチに戻っていますね(実際にアプリを使ってその時の音を拾って計測したものなので、多少の誤差はあります)。戻った時点からそれ以降に聞こえる音こそが「裏音」で、音量も小さくなっています。
一定の品質を保ったオカリナであれば、オカリナの物理として、全ての音程でこの現象が起こります。言い換えれば、「裏音」を出すことで、「音階が明確に認識できる小さな音」でオカリナを吹くことができるということです。
これならば、「時と場所を選ばす、周囲に気兼ねすることなく、オカリナを吹きたい」というニーズにお応えできそうです。
ところが・・・
この「裏音」を出すには、針の穴に糸を通すのと同じくらい、とても「繊細な息」をオカリナに吹き入れなければなりません。これには、「横隔膜でしっかりと息を維持しコントロールする」必要があり、まだオカリナを始めたばかりの方、指使いを練習している段階なので息のコントロールまではまだ気が回らない方等、オカリナを吹く方のスキルレベルによってはかなりハードルの高い条件をクリアしなければなりません。
そこでオカリナ奏者みるとは、誰にでも手軽にお使いいただける「オカリナに入る息の量を調節することで、弱音効果を得る」装置、つまり、このハードルの高い条件をクリアして、ある程度「裏音」を出しやすくする装置を作ろうと思い立ったのです。
これが「吹けるん」を形にしようと思い立ったきっかけでした。
初めての「ものづくり」にチャレンジ!
こうして、オカリナの美しい音色にこだわり追求し続けたがゆえに、様々な考察の過程で「裏音」の存在に着眼し、愛好家の方々のニーズにお応えする可能性があるということを認識するに至りました。
これを機に、オカリナ奏者みるとは、手に入れられる素材を使って最初の試作品作りに取り掛かりました。さらに株式会社オフィス樹エージェンシーとタッグを組み、この試作品を土台に経済産業省の「平成26年度ものづくり・商業・サービス革新事業」の助成事業にもチャレンジ、その採択を受けることができました。その助成事業として、オカリナ奏者みるとは、本格的な開発に着手し、その過程で国際特許出願も果たしました。
着想から試行錯誤を繰り返しながらも、多くの方々からのお力添えをいただき、3年弱の期間を経てオカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」が誕生しました。
オカリナ奏者みるとからのメッセージです。
今回「吹けるん」の開発において、はじめての「ものづくりへの挑戦」ということもあり、右も左もわからない状態でしたが、株式会社長峰製作所社長の長峰考志氏およびスタッフの皆さま、とりわけ一緒に頭を悩ませてくださった同社技術アドバイザーの草薙徹氏から多大なお力添えをいただき、より優れた形で完成までたどり着くことができました。大変にありがとうございました。「吹けるん」が愛好家の皆さんのお役に立てるということは、開発に関わってくださった全ての方々の願いでもあります。1人でも多くの方に「吹けるん」を手に取っていただき、オカリナライフをより一層楽しんでいただけることを心から願っています。
オカリナ奏者みると
「吹けるん」を正しくお使いいただくために!
「吹けるん」は、世界初の概念・商品であるため、使い方やそもそもの弱音のコンセプトなどが定着し、ユーザーの方々に正しくお使いいただくまでには時間を要するでしょう。
発明者であるオカリナ奏者みるとは、ご協力いただけるオカリナの講師の方々にお力をお借りして、各地で正しい使い方のセミナーなども展開していきたいと考えております。「吹けるん」のセミナーについてご要望があります方は是非ともご連絡をください。皆様のご協力を賜れますよう、心からお願い申し上げます。
「吹けるん」を皆様のお手元にお届けできることを「吹けるん」情報局♪スタッフ一同としても大変に嬉しく思います。「吹けるん」をお使いいただく方々の「???」にきめ細かく対応できるよう、精一杯努めていきます。
どうぞ、末永く「吹けるん」をよろしくお願いいたします。
「吹けるん」情報局♪
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